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舞台は山上の異世界!アートと自然に包まれたここだけの空間を/淡路大磯アート山大石可久也美術館(兵庫県淡路市)

北部
絶景
体験

2019.01.17

淡路島北部の山上にある『淡路大磯アート山大石可久也美術館』をご存知でしょうか?
そこは私が淡路島で訪れてみたかった場所のひとつ。
今回初めて足を運ぶことができ、その場所と作品、人との出会いに大きな感銘を受けてきました。

 

 

美術館があるのは、本州から明石海峡大橋を渡って間もない山の上。
エントランスまでは急な坂道なので、車で行く場合は十分に気をつけて。

 

◾️天空の異世界『淡路大磯アート山大石可久也美術館』

 

『特定非営利活動法人 淡路大磯アート山を創る会』が運営しているこの美術館は、淡路島出身の洋画家である故・大石可久也氏と、そのパートナーである洋画家・大石鉦子さん、そして多くのボランティアにより5年の年月をかけて2004年に建設されました。
メインギャラリー・イーストギャラリーを主に、遊歩道や敷地内に点在するオブジェなど自然も含めてまるごと楽しめる手作りの美術館なんです。

 

 

こちらはメインギャラリー2階展示室。
ここでは、故・大石可久也氏が残した多くの絵画やオブジェが鑑賞できます。
箱舟を模したユニークな形のギャラリー、外から注ぎ込む優しい陽の光、そして大作の数々が私たちを出迎えてくれますよ。

 

◼️故・大石可久也氏の人生

 

さて、この美術館を作った大石可久也氏は、どのような人物だったのでしょうか。
彼は淡路島の津名郡釜口村(現在の淡路市釜口)で生まれ、学校教員として美術を教えていました。
教員を退職後に画家として生きる道を選び、淡路島に帰郷後この美しい自然の中に美術館を建設することを決意したのだそう。
ボランティアとしてこの場所と関わる方も、なんと大石氏の生徒さんだった人が多いのだとか。
熱い情熱を絶やすことなく生き抜いた大石氏。そんな彼に実際出会ったことがなくても、いたるところにある作品たちからその存在を感じられる気がします。

 

◼️敷地内に広がる豊かな遊び心!

メインギャラリーの外に出て遊歩道や庭も散策してみましょう。
今回私が感銘を受けたのは、敷地内に広がる遊び心の数々。
アクセントとして付けられたのか、雨戸からぴょんと飛び出る松ぼっくりや、柱の穴にちょうどいいと思われてはめられたような小さなサンゴたち…
もう一つひとつが私のツボ!!なんて素敵で豊かな生き方なんだろう。

 

 

石で作られた階段を昇るとあるのが『イーストギャラリー(鉦子館)』。
美術館の建設が始まってから一番最初に完成した展示室なのだそう。

 

 

扉を開くと、思わず感嘆の声が漏れました。
なんだろう…例えるなら、小さい頃に読んだ物語や、遠い夢の中にいるかのようなこの空間。
存在しているもの全てが可愛らしくて、もはやここに住みたい…!!
女性ファンがとても多いと言うのも納得のこのイーストギャラリーは、その名の通り鉦子さんの作品展示室。
海辺で拾ってきたであろう貝殻や木の枝などを使った作品群を見て、その素材一つひとつのもつ背景を想像するのもまた豊かな時間ですよね。

 

◼️静かな海と山に囲まれたティータイムを

 

最後にやってきたのは、美術館前のテラス席。
目の前に広がるのはこの大海原!
こちらではドリンクや、季節のデザートなどをいただくことができます。

 

 

作品を堪能した後に、穏やかな水平線を眺めながらいただくティータイムは最高のひと時。
今回いただいた『完熟梅ソーダ(500円)』は手作りの梅シロップを使用したもので、ちょうどいい酸味・甘さとソーダのシュワシュワ感が乾いた喉に気持ちいい!
季節によってメニューも変わっていくそうなので、それを楽しみに足を運ぶこともできますよね。
特等席から眺める海と山から「日常を忘れてゆっくりしていきな~」と言われているよう。

 

 

「この美術館は、実は阪神淡路大震災の後の作品の収蔵庫という役割から始まりました。大勢の方の助けもあり、不思議な出会いが不思議な世界を作ったという気がしていて、この場所を作ることがもしかしたら使命だったかな、と今では思っています」と話してくれた鉦子さん。
この場所で生き、ものづくりをしていくということについて伺うと、
「『創造していく』とは、作りながら自分もまた作られていくということ。この風土に敬意を払い、考慮に入れながら、全体で調和するということ。私たち人間は、どういう場所と出会うかによって変わってくるものだと思います。美術館に来館された方がこの風景に出会い何を感じてくれたのか、私も知りたいと思っているんですよ」
そう優しく話してくれた彼女は、今日の海のような穏やかさ、そしてその言葉の端々に確固としたものを感じさせる驚くほど素敵な女性でした。

 

年に1回の『楽市楽座』や『アートと遊ぶ会』など定期的なイベントも開催しており、沢山の人で賑わうことも多い淡路大磯アート山・大石可久也美術館。
美しい自然とアートとそこに生きる人たちとが融合されてできているこの空間は、淡路島を訪れる方に強くおすすめしたい私のお気に入りの場所となりました。

 

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淡路大磯アート山・大石可久也美術館
所在地/兵庫県淡路市楠本2159番地
営業時間/10:00~17:00
定休日/月・火曜日(休日の場合は開館)、冬季休館日
電話/0799-74-5565
料金/大人500円 (15歳以下無料) ※障害者割引有(バリアフリー対応はありません)

http://www.eonet.ne.jp/~artyama/

 

写真・記事:山田 芽実

 

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