現在、Instagramに投稿されているハッシュタグ「#淡路島」はなんと57万ポスト。数多ある投稿の中から、編集部の視点で行ってみたい!と感じた場所に突撃、今回は淡路島の地場産業で街歩きしてみました。
もくもくと煙がのぼるまち
淡路島の地場産業に“瓦”があることはご存知でしょうか。日本三大瓦の一つでもある、南あわじ市の“津井”は400年以上の歴史を有する瓦のまち。
淡路島の土を使い、脈々と受け継がれてきた伝統ある瓦産業ですが、40年前には100軒以上あった瓦工場は現在40軒までに減少してしまいました。
日本の原風景に欠かせない瓦の文化を残していこうと、津井のまちを歩くだけでも楽しめる風景が残されています。
歩けばみつかる瓦のアート
屋根の建材としてのイメージが強い瓦ですが、ここに来るとさまざまな色やカタチの瓦に触れることができます。
まちを歩けばあちこちで目にすることができる瓦のアート。丸に四角に波々、青色、茶色、いぶし銀。あなた好みの瓦が見つかるかも。
津井の海で瓦拾い
地元のおじいちゃんおばあちゃんたちが「波ハネ」とよぶこの突堤。ここから瓦を船に積み船へと積み替え、広い海へと航海に出ていったんだとか。
石積みの突堤が残っている港は非常に珍しいそうです。
漁港は法律により石積みの突堤から、コンクリートのものに変更を余儀なくされました。ですが、瓦のための港であった津井港はその変更を免れ、古き良き石積みの突堤が残ることとなりました。
この石積みから人力で運ばれていた瓦を「おおっと!」と落としてしまったものが、今こうしてシーグラスのようになって打ち上げられているそうです。
こんな風景も瓦のまちならでは。瓦探しも津井の海の楽しみ方の一つ。
ついつい行きたくなるトンネル!?
まちを歩くとこんな風景にも出会うことができます。その名も「ついつい行きたくなるトンネル」です。
津井にある市立辰美小学校・津井幼稚園の子どもたちが “津井や辰美にあるもの”というテーマで黒一色の図案を描きました。
それらを元に、洲本市在住のアーティストふうやんが、図案をそのままに色付け。鮮やかなこの大壁画をトンネルのなかに描いてくださったそうです。左右どちらも見てもにこやかな笑顔がこぼれてしまう、そんな絵が私たちを迎えてくれます。
たまねぎ、お祭り、瓦、カラフルなこのトンネルはちょっとしたフォトスポット。地域愛あふれるこのトンネルは一見の価値ありです。
産業としての側面だけではなく、何百年と続いてきた瓦の文化を感じられるタイムトラベル。ぜひ淡路島にきたなら津井に足をのばしてみてください。
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南あわじ市産業文化センター
所在地/兵庫県南あわじ市津井2285-4
TEL/0799-38-0201
ついつい行きたくなるトンネル
所在地/兵庫県南あわじ市津井1692
取材・写真協力:道上大輔さん(大栄窯業株式会社)、青木 将幸さん、青木 京さん
写真・記事:藤田祥子