レトロ散歩vol.2 第八戎丸
洲本市にある観光名所、「洲本レトロこみち」。そこは、懐かしいレトロな街並みと、風情ある古民家を活かしたお店がたくさん立ち並ぶ小路。この連載では、そんな、歩くだけでワクワクしてしまうレトロ小道を散策しながら、個性が光る、気になるお店をどんどん紹介していきます。さぁ、あなたも一緒に、「レトロ散歩」しに行きましょう♪
淡路島の旬の魚で作る“漁師バーガー”
第二回目にご紹介するのは、見ているだけで元気が出てくる、ビタミンカラーの暖簾が目印のお店。その名も「第八戎丸」。お店の前に置かれた看板には、気になる「漁師バーガー」の文字。そしてそのリーズナブルな価格に、つい足が止まります。
入り口には“ニャン”とも可愛らしい、店名入りの招き猫マット。ほっこりするお出迎えに、なんだかホッコリ^^癒されます。
大漁旗が掲げられた座敷の店内でいただけるのは、五色町(ごしきちょう)の鳥飼(とりかい)地区で採れる旬の地魚を使った“漁師バーガー”。2ヶ月に一度、魚の解禁日に合わせて提供される魚は、サワラやハモ、冬場はブリが使われることもあるんだとか。なんとも贅沢です…早速、おすすめのポテトセットをいただくことにしました。
今回いただいたのは、肉厚のサワラバーガー。ポテトとドリンクがついてなんと870円!バーガーにサンドされているのは、サクサクフワフワなサラワのフライ、知り合いの農家さんから仕入れているというシャキシャキのレタスと甘~いトマト。そこに、チーズと自家製タルタルソースが合わさって…もう、夢中で食べちゃいました♡そして淡路島の海をイメージしたというマリンブルーの戎(えびす)丸(まる)ソーダが、このバーガーに合う!!ボリュームたっぷりで大満足のセットでした♪
他には真似できない、オリジナルで勝負
この漁師バーガーを生みだしたのは、第八戎丸店主の杉本由美恵さん。誕生のきっかけは、結婚を機に、地元神戸から淡路島へと移住してきた由恵美さんが感じた“違和感”でした。それは“淡路島で採れた魚が、淡路島内で流通していない”という事実。「ならば淡路島で、淡路島の魚を手軽に食べられるお店を作ろう」という思いから、漁師である旦那さまの船の名前「第八戎丸」を店名に掲げ、2016年4月15日にお店をオープン。
なんとバーガーに使われるバンズも、由美恵さんの手作りでした!パン教室に7年ほど通っていたという、その腕前から作り出されるバンズは本格的。兵庫県産の小麦粉を使用し、大きな魚のフライをしっかり挟めるよう、あえて通常よりも大きめサイズに作られているのが特徴です。漁師の旦那さんが採ってくる魚を由美恵さんの手作りバンズで挟むという、まさに夫婦二人三脚で作られているバーガーなんですよ^^
「どこにでもあるものを作ったら、私がやる意味がない」。どこまでもカッコいい、女性店主が一人で切り盛りするお店なのでした。
お母さんがゆっくりと、くつろげる空間に
店内で一息ついていると、ふと目に入るたくさんの子供用おもちゃ。そう、このお店のもう一つの特徴は、小さなお子さんがいる家族連れでも、ゆっくりくつろげる工夫がされていること。
お分かりでしょうか?子供が怪我をしないよう、全ての机にコーナーカバーがちゃんと施されているんです!
そう、店内が座敷なのも、ちゃーんと意味があるんです!子供たちが自由に遊びまわれるよう、そしてお母さんたちもそれを気にせずゆっくりと、まるで自宅にいるような感覚でリラックスして過ごせるようになっているんです。
それもそのはず!由美恵さん自身も、5人のお子さんを育てている現役のお母さんだから。まさに子育てに奮闘するお母さんの気持ちが分かる由美恵さんだからこそできるお店!
「淡路島には、子供連れで入れないお店も多いというお話も聞いて、気を使わず、お母さんも子供もゆっくり過ごせるお店にしようと思いました。これからは、そうした地元のお母さん方にもっとこの場所を知ってもらい、お母さん同士が交流できる、息抜きの場になれば良いなと思います」。
あなたもレトロ散歩のお供に…まるで実家に帰って来たような温かい店内でいただく、愛情たっぷりの漁師バーガーは、いかがですか?
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第八戎丸(ダイハチエビスマル)
所在地/洲本市本町5-1-18
営業時間/AM9:00-16:00 (L.O.15:30)
定休日/木
TEL/090-3677-0387
写真・記事:藤本沙紀