歳を重ねるごとに『野菜万歳!』になってきた私が嗅ぎつけやってきたのが、ここ洲本市。
見てください、なんとものどか~に広がるこの田園風景。
少し辺鄙なこの場所で、野菜をまるっと食べられるなんとも贅沢なカフェがあるという噂。
緑がたくさんのこんな素敵な場所にお店を開くことができるなんて、嗚呼なんて羨ましい…
淡路島 島Cafe 八十八屋
やって来ました、『農Cafe 八十八屋』。この古民家の佇まい…期待が膨らみます!
店内に入ると広がる大正ロマンの空気。ノスタルジックな音楽が流れ、落ち着いた雰囲気です。
この古民家はもともと地元の農家さんが住んでいたもので、このカフェも『特定非営利活動法人 あわじFANクラブ』というNPOとのご縁が始まりなのだとか。
『あわじFANクラブ』は、島外からの移住と農業・就農の促進を目的に活動しており、農家さんとの繋がりが強い団体。
店主の延原さんご夫婦は淡路島出身のUターン組ということもあり、移住支援の一環としてこの場所でカフェをオープンできることになったそう。
「淡路のご飯はどこに行っても美味しいんですが、淡路牛や魚、玉ねぎはよく知られているなか、他の野菜も美味しいということがそこまで前に出ていない。頑張っている農家さんがたくさんいることを知って欲しいんです」
なるほど、「淡路島の農家さんを応援したい」という思いから『野菜』が主役のカフェが誕生したんですね。
古民家をリノベーションして作られたお店の内装は、延原さんご夫婦の好みによるもの。
壁に設けられた時計や照明など、細部まで素敵な演出がなされていて、日常を忘れさせてくれそうな空間です。
一番のチェックポイントは、現在でも稼働しているというレジスターの機械。非常に趣がありますよ。
おすすめは、なんといったって外の景色を見渡せる窓側の席。
鮮やかな緑を見ながらのランチは何にも変えがたいものですよね。一人で来ても、誰かと一緒に来ても楽しめそう。
野菜たっぷり!『季節の八十八屋ランチ』
お待ちかね!私が注目していたメニューがこちら、『季節の八十八屋ランチ』(1600円+税)。
内容は、スープ・前菜3種盛・農園プレート・ミニスイーツ・ドリンク。
名前の通り季節により内容が変わるこのメニューは、予想通りお客さんにも大人気。
このランチを食べて、「元気になったー!」と笑顔で帰っていくおじいちゃんもいるのだとか。
このゴロゴロ野菜から自然の恵みをまるっといただける感じがして、いかにも体と心に良さそうなのが魅力的ですよね。
今日の農園プレートのメニューは、ナス、ズッキーニ・ロマネスコ、グリーンベリル、レッドムーン、かぼちゃ、コリンキー、子安三寸人参、トロぺア・ロッサ・ルンガ、ビーツをはじめとした20種類の野菜。
普段メジャーな野菜しか食さない私にとっては、どれもこれも聞いたことがない珍しい野菜ばかり…なんて洒落てるんだ!
聞くと、これらの野菜は極力淡路産のものを使用するようにしており、淡路島の農園から来たものがほとんどなのだとか。
その時々の季節に合わせて大体20~25種類の旬野菜がこの農園プレートに並びます。
野菜そのものの味を楽しんだら、淡路島産の玉ねぎを練りこんである『玉ねぎみそ』、『自凝雫塩(おのころしずくしお)』やバーニャカウダをお好みで。
興味深かったのは、塩や味噌など塩気のあるものと一緒にいただくと野菜本来の甘みがよりグッと強くなること。
味の幅が広く感じられる楽しいプレートでした。
ごちそうさまでした!
運が良ければお店の前で遊んでいる人懐っこい看板猫たち『こむぎちゃん♀』や『せんごくさん♂』にも会えるかも?
『つくる』農家さんと『たべる』お客さんを繋ぎ、淡路島の農家を全力で応援している、農Cafe 八十八屋。
「農家出身の友人が、店を訪れた際に野菜の可能性を強く感じてくれたようで、それがとても嬉しい出来事でした。農業や就農に興味がある方にはぜひ来て欲しいですね」と話してくれた、笑顔が可愛らしい延原さん。
少子化の日本で、だんだんと人口が減っていっている農家と人を結びつけることは決して容易ではないはず。
だからこそ、このカフェが美味しい野菜や農産物に近づくきっかけとなる大切な役割を担っているのだろうと感じました。
あなたも次の休日には緑に囲まれたこの場所で、淡路島の野菜を楽しんでみませんか?シンプルでしっかりしたその味に、きっと力をもらえるはずです。
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農Cafe 八十八屋
所在地/兵庫県洲本市中川原町中川原92-1
営業時間/ランチタイム11:00~14:00 ティータイム14:00~17:00(Lo.16:30)
定休日/木曜・金曜
電話/0799-25-8086
写真・記事:山田 芽実