観光地として京阪神の人々がたくさん訪れる淡路島。
気になるお店に目移りする人も多いのでは?
実際に島に暮らす人々はどんな場所を訪れるのでしょうか?
今回は、冬の間だけオープンするという淡路市の「自然薯食堂」さんにお邪魔しました!
今年も自然薯食堂がスタート!
淡路市の北淡インターから車で15分ほど山に入ったところに、長澤という地域があります。田園風景が広がるこの場所は、淡路島の中でも標高が高く穏やかな空気が流れています。12月~3月の期間、月に一度オープンする「自然薯食堂」はこの長澤の保育園跡地で開催されます。
あちこちからたくさんの人が集まり賑わいを見せたのは、オープニングの12月。「やまいも祭り」と称して、今年のオープニングイベントが行われました。
自然薯ってなに?
みなさんは、自然薯のことをご存知でしょうか?
一見長いもとも似ていますが、風味も価値もまったく異なります。日本原産の山芋で、もともとは野生種。山菜の王様と称されて重宝されていたそうです。
その栽培はまだまだ難しく、手間がかかることから、希少で価格も長いもの何倍もするほど。
そんな自然薯が手軽に食べられて、さらに買って帰れるとあって、自然薯食堂は地元の人に大人気となっています。
もちろん、自然薯以外にも地元産のお野菜が買えるのがうれしいポイント。長澤は標高が高いことから、寒冷地でおいしく育つと言われている大根の栽培が有名でもある地域。地元のお寺の名前をとって、東山寺大根と親しまれてきました。
滋味なとろろご飯を味わおう!
1月~3月の間は、第四日曜日にオープンする自然薯食堂。保育園の跡地で、地元のお父さん・お母さんたちが力を合わせて運営しています。
キッチンでは両手で抱えきれないほどの大きなすり鉢で、自然薯がすられています。かなり粘りがあるので、お母さんたちが仕込んでくれた出汁で割っていきます。お出しととろろを混ぜていくのはとても難しく、時間をかけて合わせていくんだとか。
この特性の出汁をかけ、薬味をのせて出てきたのがこちらの「とろろ丼」です!オープニングイベントではたくさんのお客様に味わってもらうため、小さな丼になっていますが、1月以降は、定食スタイルになるそうです!
とろろからふわりとかおる土の香り。自然薯は皮が薄いため、そのまますりおろすんだそう。皮に含まれた香りや栄養分をたっぷり味わえて、食べるとなんだか健康になった気分です。
お客様の中には「毎年オープンを楽しみにしていて、会期中は必ず毎月くるんです。」という島の人も。毎年開催されるのを心待ちにされているんですね!
オープニングイベントの最後には、島らしいもちまきが行われました。地元のみなさんとふれあいながら、自然薯を味わえる貴重な冬限定の食堂。島の人もおもわず通ってしまう「自然薯食堂」の特性とろろ丼。ぜひ一度あじわってみてはいかがでしょうか。
記事・写真:藤田祥子
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自然薯食堂(一日50食限定)
営業時間/11:00-14:00
営業日/1月~3月の第四日曜日
駐車場/10台くらい