近年香川県・直島や新潟県・越後妻有地域などを舞台に、私たちを虜にしてきた『現代アート』。
淡路島の東海岸線近くにも、隠れ家的現代アートギャラリーがあります。
実はこの場所、私が淡路島で一番訪れてみたかったところ。情報が少なく、事前に調べようがなかったほどの隠れ家アートギャラリーなんです。
ナビを頼りにいざ!少し迷いつつたどり着いたのは…
知る人ぞ知る『ギャルリBANYA』
場所の名は『ギャルリBANYA』。
ご自宅の敷地内にある施設のため、事前連絡をして伺うようにしましょう。
足を踏み入れると広々としたスペースに大きなヤギの彫刻作品やオブジェが。一つひとつが全て可愛らしく、私のツボにどハマり!
もうギャラリーへの世界は始まっているようです。
この扉が『ギャルリBANYA』の入り口。趣のある雰囲気に、わくわくが止まらない!
静謐なスペースと前川氏のアート作品
ここは、現代美術作家である前川和昭さんによって15年ほど前に生まれたギャラリー。前川さんは以前高校の美術の教師をしており、その引退後にこの場所を作り上げたそう。
ギャラリーはもともと牛小屋で、窓ガラスやステンドグラスをはめ込んで改装しています。壁も全て漆喰を手塗りしているんです。私もいつかこんな素敵なスペースを作ってみたい!とうっとり。
ギャラリーの中では、前川さんの作品、そしてご子息の彫刻作家・前川秀樹さんの立体作品などが静かに佇んでいます。
シンプルで味のあるバックグラウンドに実に見事にマッチした作品の数々。言葉は要りません。
タイトルやコンセプトが書かれていたりすると、思わず作品よりもそちらに気を取られてしまう経験はないでしょうか?『作品だけがただそこに在る』という環境は、作り手の熱が観る者へまっすぐに届く気がして、神聖な気持ちになります。
窓際に静かに佇むこの彫刻は、息子・秀樹さんが以前飼っていた犬をモデルにしたもの。その眼で毎日何を見つめているのでしょうか。
異空間を楽しんで
魅力的な作品は室内だけではなく、屋外にもたくさん。ここには島内外、県内外問わず様々な方が前川さんの作品や世界を楽しみに訪れています。
『ギャルリBANYA』は、展示された作品だけではなく、その置かれた空間や空気感も全身で味わえる場所だと感じました。
これからも新しい作品が作られては、ひっそりとギャラリーの一部になっていくのでしょうね。
ギャラリーを訪れる際には、『あわじオープンガーデン』(淡路島内のオープンガーデンを楽しむイベント)に毎年参加しているという庭の木々や草花もぜひ一緒に楽しんでみましょう。秘密の庭のようで胸が高まりますよ。
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ギャルリBANYA
所在地/兵庫県洲本市安乎町平安浦1953
営業時間/10:00~17:00(要事前連絡)
定休日/不定休
電話/0799-28-1379
写真・記事:山田 芽実